レディースクリニック

レディースクリニックと婦人科、産婦人科の違いはあるが普通に利用するのであれば特には意識する必要はない。ただ、自分がしてほしい治療に適しているか事前にある程度の確認はした方がよい。東京、大坂、特に新宿などでは特に多くなりましたね。

レディースクリニックと婦人科、産婦人科の違い

レディースクリニックという名称は、最近全国的にもよく見られるようになってきました。代表となる医者を頭に付けたりしてよく使用されていますが、今では婦人科産婦人科と同じぐらい、もしくはそれ以上によく見かけるようになったのではないでしょうか。ところで、レディースクリニックと、婦人科産婦人科の違いをご存知でしょうか。

意外と知らない診察内容医療施設の目的、対象となる人の違い、歴史的背景がありますし、この微妙な差は、普通に利用するだけなら、知らなくても特に問題ないことなので、あまり意識することはないことでしょう。

婦人科産婦人科レディースクリニックに共通することは、言うまでもなく、すべて女性特有疾患出産に関わることを専門としていることです。 もともと、歴史的には、女性特有疾患というものが、医学的に注目されたり、区別されたりすることはあまりありませんでした。女性特有病気、といえば、つまり、出産に関わるトラブルであり、昔はこれさえも、医療として取り上げるものではなく、自然摂理一環であり、病気ではないとされていました。

そのため、近年のように出産病院で行うものではなく、専門の助産婦がいて、助産所産むものということが常識となっていたのです。 出産病院が関わるとすれば、それは出産に何かしらのトラブルが絡んだ時で、帝王切開や中絶手術は別途外科にかかり、処置してもらう必要がありました。

産科は、妊娠分娩新生児に関する医療を専門としており、婦人科子宮疾患などのそれ以外女性に関する医療を専門としています。

婦人科の概念が生まれたのは1800年代紀初頭

婦人科の概念が生まれたのは1800年代紀初頭と言われており、昔から産科の役割を助産所が行ってきていたために、病院での産科の需要がそれほどなく、当時の婦人科産科も内包した女性総合診療部門に近い役割があったといいます。このため、婦人科という名称より産婦人科という名称の方が良く用いられていたようです。

その後、徐々に医療技術周産期医学が発達し、分娩監視装置などの機器が開発されてくると、病院での産科の役割が大きくなってきます。日本ではちょうど戦後になりますが、医学としての学問でも分類分けが進み、分娩所も徐々に姿を消し始め、産科病院を舞台とするようになります。

現在では、産科婦人科の棲み分けが行われ、産婦人科産科婦人科の分野を合わせた統合名称であると明確に定義されています。では、ここにレディースクリニックはどのように絡んでくるのでしょうか。

クリニック、日本語に訳せば診療所

それは、診察内容より、医療施設形態に違いがあります。英語でクリニックClinic)とは、日本語に訳せば診療所という意味です。日本ではクリニックという言葉が広まる前に、医院という言い方が広く使われていました。

診療所医院は、医療施設の種類のひとつであり、臨床研修終了医師または歯科医なら、届け出をするだけで誰でも開業できるものです。

病院と違う大きな特徴は、入院による診療を行っているかどうかで、行っていたとしても、入院可能な人数が、最高で19人以下でなくてはいけません。そして診療所の名称に関する規定で、病院などと混合される紛らわしい名称は使ってはいけないと決められています。

クリニックといえば、レディースクリニックが広まる前までは、ほとんどが歯科クリニックの名称で使われていましたが、入院治療の必要ない歯科だからこそ、という理由が隠されていたわけです。

レディースクリニックは個性が出やすいので自分がしてほしい治療に適しているか、事前に確認を!

以上のことを踏まえると、レディースクリニックは、産婦人科に関わる医療を行う診療所あるいは医院であることを示す名称として、使われていることになります。

ほとんどのレディースクリニックは、産婦人科全般を診察内容としているようですが、その内容が、産科よりなのか産婦人科よりなのかは、レディースクリニックの名前からでは判断がつきにくいところがあります。

例えば産科よりのレディースクリニックであれば、待合室の椅子が、体が不自由になりやすい妊婦さん用になっている場合もありますし、出産に関わる情報が手に入りやすかったりもします。

分娩を行っているかはどうかはクリニック診療内容次第ですが、もしものことがあっても、他の病院と連携をとったり、入院できる設備が整っていたりするところも多いようです。 逆に婦人科よりであれば、子供連れの患者が少なかったり、診察時間が長くなりがちな妊婦も少ないので、普通の病院と同じように診察にかかることができます。

例えば、不妊治療や予期せぬ流産などで精神的に不安定な場合であれば、自分の治療に集中することができますし、産婦人科全般を取り扱う医師より、より高い技術を持った専門医にかかることができるという長所もあります。

その点ではレディースクリニックは、個性が出やすいところですから、自分がしてほしい治療に適しているか、事前にある程度の確認を行う方が良いでしょう。 診療自体を行っていても、得手不得手がある可能性もありますので、心配であれば、他のクリニックを利用してみるのもひとつの手です。

産婦人科に関わる問題はデリケートなので、やはり自分に合ったところを選ぶのが理想となるでしょう。